| 高野和明 | ||
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| ■略歴 | ||
| 1964年東京生まれ。 映画、TVのメイキング演出など担当し、映画監督岡本喜八氏の門下に入る。 1989年渡米し、ABCネットワークの番組スタッフとして参加。 ロサンゼルス・シティカレッジで映画演出などを学び、1991年中退。 2001年『13階段』で第47回江戸川乱歩賞受賞。 |
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| ・13階段 | ||
| ・グレイヴィディッガー | ||
| ・K・Nの悲劇 | ||
| ■13階段 ★★★★★ 2001年 講談社 | |
松山刑務所の主席刑務官の南郷は、傷害致死で2年刑務所で服役していて、仮釈放になった三上純一を、ある死刑囚の冤罪をはらすために、手伝ってほしいと依頼する…。 第47回江戸川乱歩賞受賞作品。 めちゃくちゃおもしろかったです!ミステリとしても最高ですが、法と刑とは何かって考えさせられる作品でもあります。死刑といってもされる側、する側がいるわけで、される側にとっては今まで、いろいろと論議がありますが、する側ってあまり取り上げられたことが無い気がします。死刑を行う側は合法的にいわば殺人をするということで、南郷が苦しんでいる場面があります。そうですよね、書類に判を押す、法務大臣や上の役人も心情的に苦しいところもありますが、実際手をくだす彼らの中に矛盾が生じます。そのやりきれない気持ちは想像を絶するはずです。しかもこれは今現実に起こってる問題。奥が深い作品だと思います。 作中の記述にある、犯人への報復である「応報刑思想」と、犯罪者を教育改善して、社会的脅威を取り除く「目的刑思想」の間で揺れている刑務官は多いのかもしれません。何だかかたい話ばっかになりましたが、ミステリとしてもテンポよく、最期の最期まで分からない!って感じで、とってもお勧めです! |
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| 2003/8/10読了 |
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| ■グレイヴディッガー ★★★☆ 2002年 講談社 | |
詐欺などを働く悪人顔の「八神」は、そんな自分から生まれ変わるために、ドナーとして骨髄移植手術を行うことに。そんな移植の前日、懐がさみしい八神は知人の「島中」にお金を借りに行く。ところが島中は浴槽の中で息絶えていた…。そこに3人組の男達が現れ八神に襲い掛かられ、その後その怪しい男達、警察、そしてグレイヴディッガーと呼ばれる殺人者から、移植希望者が待つ病院にたどり着くために、都内を逃げ回る羽目に… ちょっとクセのある「八神」が魅力的。悪人顔で今までに詐欺などでの罪を犯してきた自分が生まれ変わりたい、と願いドナーとして1人の命を救おうとする。いい人ではないですか。所持金を気にしながら東京を縦断する八神を逃げて〜!と必死になって応援してしまう(笑)。そのやりくり逃走劇も面白いし、グレイヴディッガー(墓掘人)の中世魔女狩りを模した復讐殺人と、それとは別に八神を追いまわす集団。これらの関係が徐々につながっていく過程も面白い。どうなるんだ、どうなるんだと夢中になって食い入るように読んでしまいました。「13階段」はすでに映画化されたけど、こちらも映像化したら面白いだろうなぁと思います。ネタばれ→ただ最後に犯人がはっきりしないのが、肩透かしをくらって「なんだよ〜今までの時間返せー」と思ってしまいました。それだけそれまでが面白いってことですが(笑)。ただ私の読解力がかけるだけ?これがなければ5つ星なんだけどなぁ |
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| 2003/8/17読了 |
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| ■K・Nの悲劇 ★★★☆ 2003年 講談社 | |
フリーライターとしてベストセラーを出した修平は、今までの窮屈なアパートをでて、都内のマンションを購入し、妻の果波との生活、そしてこれからフリーライターとしての自分の将来を夢見ていた…。しかしそんな夢も束の間、あてにしていた第2弾は予定がなく、マンションのローンは妻の収入に頼らなくてはいけなくなる。だが妻の体には新しい命が…しかし生活のために中絶を決意する夫婦だが、徐々に果波の様子がおかしくなってくる… ひえー怖かった。夜中に読んでいたから怖さ倍増。経済的な理由から中絶を決意するが、そのあたりから果波がおかしくなってくる。それは霊に憑依されたのか、精神障害なのか…。修平が見たものは心霊現象だけど、精神科医の磯貝からすれば全てが科学的に説明できること。そこには主観的、客観的という「見方」の違いがあるのだろうけど、実際恐怖の渦中にいる人はやっぱ怖いよ(^^;)でも都市生活とともに減少した憑依話。もっと村社会だった頃はけっこう日常茶飯事のことだったんだろうなぁ。高野さん、相変わらず話の進め方、まとめ方がうまいなぁ。ホラーとしてでなく、中絶を考えさせられる一冊でした。犯罪からくる中絶や身体的なものなどはしょうがないけど、修平のような無計画のうえの中絶はなくなってほしい。 |
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| 2003/11/6読了 | ▲リストへ |