社会学情報処理


PCを使ったレポート・レジメ・論文作成の基礎技術



今回学ぶこと


目次


1.レジメ・レポート・論文とは何か

(1) レジメとは

  口頭で学術的な発表する際に、補助的に用いる発表内容の要約
必要な構成要素

  効果的なレジメのつくりかた


(2) レポートとは

授業の課題のような、簡単な調査報告。特にオリジナリティなどは要求されない。
必要な構成要素


(3) 学術論文とは

  • 新たな知識や、見解を論理的に著述した報告。
  • 「ある問題についての、自分の主張を何らかの調査に基づいて、合理的な仕方で根拠づけようとする一定の長さの文の集まり」(小林康夫/船曳建夫編『知の技法』東京大学出版会、p.213。)
必要な構成要素

2.レジメ・レポート・論文の作成手順


(1) 資料の収集


(2) 論文の構成をレジメにまとまる

文献を読み進めながら、発表の構成(目次)をまとめる

例)
論文「台湾後期抗日民族運動における諸主体の位相」をテーマに、目次を作ってみた場合。


(3) 論文、レポートにまとまる

  • 作成した目次にしたがって、本文を書き進める。
  • 書けるところから書いていく。
  • 各章、各節の分量は、なるべく同程度となるようにする。
  • 構成がアンバランスになった場合は、目次を見直す。


(4) 注、参考文献の書き方

  • 参考文献: 参考にした文献のリスト
  • 注: 引用した文献の出典や、本文を補足する付加的な情報
参考にしたり、引用を行なった文献についてはその一覧を最後に付す。
特に引用に関しては、かならず「」を使って引用箇所を囲み、その出典を注にまとめる。

参考:創価大学中西ゼミナール:他文献の参照情報〜注および参考文献一覧の書き方〜


参考文献の構成要素

  • 書籍の場合: 著者名『題名』出版社、発行年 。
  • 論文の場合: 著者名「論文タイトル」『雑誌名』出版社、発行年 。

  • ウェブページの場合: 著者名「タイトル」URL (参照した年月日)、発表年。


注の構成要素

  • 書籍の場合: 著者名『題名』出版社、発行年、ページ 。

  • 論文の場合: 著者名「論文タイトル」『雑誌名』出版社、発行年、ページ 。

  • ウェブページの場合: 著者名「タイトル」URL (参照した年月日)、発表年。


(5)注を扱った例

洋書の場合

本文部分と注

脚注部分


和書の場合

本文部分と注

脚注部分


ウェブページの場合


3.情報の収集

(1)メールにメモをとる

情報を集める場合のポイント

  1. 集めた情報が拡散しないこと。(しまう場所が異なると拡散する。)しまう場所は「一つのポケット」。
  2. 後から閲覧しやすい。高度な検索ができる。(件名や日付などで容易に整理でき、検索できる。)
  3. 情報を集めた日時などを記録する。(集めた情報はいつのものか、を保存しておく。)
  4. 他人と共有することが容易である。

メールをメモ帳代わりに使う

(2)メールにメモをとる方法

メモの内容

1.テーマに関係しそうな記事を見つける。
2.メールの本文欄に収集しておきたい記事をコピー&ペースト(Ctrl+C→Ctrl+V)。件名には記事の内容がわかるものをつける。出所の明記を忘れない。その後、自分宛に送信する。

メールによるメモの検索

集めた情報の中から、必要な情報を抜き出したり、検索する際にはメールの検索機能を使えばよい。検索条件に、テーマに関係する用語などを入力する。



(3)「紙」(フリーソフト)の活用

学内のPCで扱うことは困難であるが、自宅などで上記のような情報収集をする際に比較的簡単に利用できるものに洛西一周(らくさい・いっしゅう)氏による「紙」がある。

「紙」を使うメリット


PC上で満足にものを書くには、普通の紙と比べると障壁となるものがあまりにも多い。それを取り除くことに挑戦したスクラップブックソフト(兼エディタ)です。ホームページを効率よく取り込み、管理できます。
(「洛西一周のホームページ」より)

(番外編)良い百科事典を使う

該当分野の研究概略、研究段階、また用語の定義を調べるのに百科事典は必要不可欠。何らかの発表をする際、まず百科事典を見て下調べをし、概念規定をしておこう。 最近は電子化されたものが多く検索はとても簡単である。以下は日立デジタル平凡社『世界大百科事典・年鑑・便覧ver.2.00』(CD-ROM版)の利用例。


4.情報を加工する

(1)アウトラインプロセッサの利用

アウトライン

最初に書きたいことを列挙し、それらを筋道が通るよう並び替えてストーリーを形成する、この動的な手法のこと。

アウトラインプロセッサとは

アウトラインを用いた文章作成のこと。

アウトラインをなぜ使うのか

Wordによるアウトライン

以上のような手順は、Wordのアウトライン機能を用いることで容易に行うことができる。
上の例と同じ編集をWordによるアウトラインで行ってみる。
1.Word を起動したウィンドウで「表示」を「アウトライン」にする
2.買いたいものを思いつくままに入力する。
3.どこの店に売っているのかという点でグループ分けしていく。
  • 店の名前を入力する。(改行して入力するだけ。)
  • 買いたいものをレベル1からレベル2へ変更。(「Tab」キーを押す。)逆の場合(レベル2→レベル1)は、「Shift+Tab」
  • レベル2の項目(買いたいもの)をレベル1(買いたい店)の下の階層へ移動する。(範囲指定してドラッグするだけ。)
  • これを繰り返すと、以下のように表示できる。
 これを繰り返して、さらにリストを階層化(レベルの増加:レベル1→レベル2→レベル3・・・)していく。
 
なお、以上のようにトピックの上下の移動(順番の入れ替え)、左右の移動(見出しの入れ替え)が簡単にできる上に、トピックの省略表示も簡単にできる。


(2)アイデアプロセッサの利用

浮かんだアイデアはアウトラインだけでは整理できないこともある。とりわけ調べて得たことが複雑になってくるほどその関係性や位置関係、順序などを整理しなくてはならないことが多い。アウトラインプロセッサと併用して活用したらよいものとしてあげるのがアイデア・プロセッサである。ソフトによって備えている機能などに違いはあるが、たいていの場合アウトライン機能も併設していることが多い。以下はフリーソフトIdeaFragment2の活用例。(→IdeaFragment2
これに併行して年表なども作成して用いるとさらに効果的である。



(3)ウェブログ(ウェブ日記)の活用

集めた情報を整理していく方法で有効なものとしてもう一つ、ウェブログ(ウェブ日記)があげられる。

ウェブログ・ウェブ日記とは

ウェブログ・ウェブ日記を活用するメリット

使ってみる:はてなダイアリー

比較的簡単に気軽に始められるウェブ日記として「はてなダイアリー」がある。


5.レポート・論文執筆時の編集

(1)見出しの設定

 本文は「標準」スタイルで、見出しには、「見出し1」や「見出し2」を使う。
  • 範囲指定をしてから
  • 右図のようにしてスタイルを変更する。
 標準
本文を入力するために用いる
 見出し1
最もレベルの高い見出し。「章」など
 見出し2
二番目にレベルの高い見出し。「節」など
 見出し3
三番目にレベルの高い見出し。「項」など

見出しを設定すると簡単にできること

見出しマップの表示

 メニューから「表示」→「見出しマップ」

 ウィンドウ右側に見出しの一覧を表示できる。長い文書を編集する際に、文書内を素早く移動したりできる。

目次を簡単に作成できる
 メニューバーの「挿入」→「参照」→「索引と目次」


アウトライン機能が利用できる
  • アウトライン機能が使えると・・・
    1. 章や節の変更
    2. 章や節の入れ替え
    3. 章や節の移動     など
   が簡単にできる。

(2)注を書く

 メニューバーの[挿入] → [脚注]を選択する。


(3)ページ番号を入力する

各ページにページ番号を自動的につけることができる

 メニューバーの[挿入] ― [ページ番号]を選択する。



6.実習

(1)アウトラインの活用

  1. 渡辺の教材ダウンロードページより「word.outline.sample2」ファイルをダウンロードし、マイドキュメントに保存する。
  2. ファイルを開くと以下のような内容となっているので、これをアウトライン編集機能を使って、レベル3まで階層化されたグループを2つつくる。(→説明)(→完成画面)
  3. 完成したら渡辺のレポートボックスに提出する。


(2)注・参考文献・目次の入力

(3)文献検索

創価大学図書館文献検索ページ国会図書館文献検索ページから以下の文献について調べる。
1.高橋章『アメリカ帝国主義成立史の研究』名古屋大学出版会、1999年。

2.山本有造『帝国の研究―原理・類型・関係』名古屋大学出版会、2003年。

3.川北稔「書評 平田雅博著『イギリス帝国と世界システム』」『歴史評論』608号、2000年。


上記の実習が終わった方は・・・

Amazon.comを利用してみる。

はてなダイアリを使ってみる。

以下の関連項目を閲覧してみる。

関連項目
  • 中野明『書くためのパソコン』(PHP):アウトラインプロセッサの利用法や百科事典の効用に詳しい。教養が深まると言うわけではないが、wordを中心とした知的生産の道具の実用性がよく分かる本。
  • 松岡正剛『知の編集術』(講談社):パワーポイントによる冒頭の説明で引用した本。カット割りした情報が、並べ方や見せ方によって訴えかける主題が大きく変化することを指摘していたが、これはあくまで触りの部分。情報の編集によっていかに新たな発想・思考を生み出されるのかを全編を割いて様々な面から解説している。松岡正剛は「千夜千冊」でも著名である。