田島征三
1940年 大阪府堺市で兄征彦と一卵性双生児として生まれる。
6歳から19歳までを自然豊かな高知県(6~11歳 芳原村(現春野町)、11~19歳 高知市朝倉)で暮らす。この時期に、小川で魚を手づかみで持ったりした時の、生き物が掌の中で暴れる感触は今も創作の根になっているという。
多摩美術大学図案科卒業を機に手刷り絵本『しばてん』を制作する。1969年に東京都西多摩郡日の出村(現日の出町)に移り住み、ヤギやチャボを飼い畑を耕す生活をしながら、絵本などの創作を続ける。
新しい画風を生み出そうとし続けていたところ、ナスカの地上絵の写真を見て新境地が開ける。従来の絵本とは大幅に画風が異なる絵本『ほら いしころがおっこちたよ ね、わすれようよ』を出版する。(1980年)
1989年に日の出町に残る最後の美しい谷間が第2の巨大ゴミ処分場計画候補地になっていることを知り、夫婦で反対運動をおこすことを決意する。森の中で反対運動をしている間に森の植物や小動物との連帯を強く感じ、インスピレーションを得る。
胃がんを患い、胃の2/3を摘出する手術を行う。転地療法のため、伊豆高原(静岡県伊東市)に移住する。(1997年)手術後、体力をつけようと森の中を歩いていた時、シロダモ大木に呼び止められた気がしてふと立ち止まる。翌年の秋、その実を集めて制作した絵本『ガオ』を出版する。
その後、絵本を作りながら、木の実や流木などによる作品を発表し続けている。
略 歴
- 1940年 大阪府生まれ。高知で幼少期を過ごす。絵本作家・田島征彦は双子の兄。
- 1960年 全国観光ポスター展にて金賞および特別賞。
- 1962年 多摩美術大学図案科卒業。大学在学中に手刷り絵本『しばてん』制作。
- 1965年 第一回個展「南天子画廊」。 はじめて絵本を出版『ふるやのもり』。
- 1969年 『ちからたろう』にて第2回BIB世界絵本原画展金のりんご賞。 東京都下日の出村(現町)に移住。
- 1974年 『ふきまんぶく』にて第5回講談社出版文化賞。 『黒い太陽七人の画家・人人展』に創立会員として参加。
- 1975年 『やぎのしずか』を発表。出版同時に好評。絶版。 (後、形を変え大幅に描きなおして偕成社より出版) 今までの作風を全て破壊し、新しい画風を創るため、苦悩をともなう闘いをはじめる。
- 1980年 『ほら いしころがおっこちたよ ね、わすれようよ』出版により新しい境地を拓く。
- 1989年 『とべバッタ』で絵本にっぽん賞受賞。
- 1990年 同作で小学館絵画賞受賞、年鑑イラストレーション作家賞受賞。 この年から日の出町廃棄物巨大処分場建設反対運動に突入(現在も続行中)。
- 1992年 少年時代を書き綴った『絵の中のぼくの村』を出版。
- 1996年に、東陽一により映画化され、 ベルリン国際映画祭で銀熊賞受賞。
- 1998年 処分場からの化学物質の飛散によりガンを患い、伊豆半島に移住。
- 2003年 5年間の木の実による作品をまとめた作品集『きみはナニを探してる?』(アートン刊)。 「田島征三全部てんらん会」(池田20世紀記念美術館)開催。
- 2004年 まつだい農舞台ギャラリーにて個展「生命の記憶 木の実 田島征三展」木の実を素材に した作品のみで展覧会を構成する。木の実による絵本『ガオ』『モクレンおじさん』発表。
- 2005年 東京都練馬区立美術館で谷川晃一、宮迫千鶴と3人展。
- 2006年 高知県立美術館、2007年新潟市立新津美術館、征彦と2人展開催。
- 2008年 平塚市立美術館 「絵本の大地、木の実の夢」展
- 2009年 第四回越後妻有アートトリエンナーレに、廃校になった小学校を、まるごと絵本にしてしまう作品を制作。 開館と同時に絵本『学校はカラッポにならない』発表。
- 2010年 『オオカミのおうさま』で毎日新聞日本絵本賞受賞。