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しろいくに

ダウン症の画家村田清司が描いた絵から、田島征三が話をつむいだ。命をうたう絵本。
・・・村っちゃんの画集を引き受けてくれる出版社が見つからないまま、三年近い年月がたった。村っちゃんの絵は1000枚以上も溜っただろうか。のんき者のぼくも、だんだんあせりを感じ始めた。
ある時、名古屋の宮崎喜一君の家で、ぼくはつい、村っちゃんの画集のことで弱音をはいてしまった。喜一君はぼくの愚痴を聞いた後、なぜ絵本ではいけないのかと問いかけてきた。「征ちゃんの得意の領域に村っちゃんを引きずりこんでしまえばいいじゃないか。征ちゃんのもっている絵本づくりの才能を活かして、村っちゃんの絵を絵本として出版することは、征ちゃんならたやすいことじゃないか」と教えてくれた。・・・
村っちゃんの絵を見ていると、ぼくの頭の中につぎつぎとことばが沸いてきて、それがおたがいくっつくあい、物語となった。そして、ぼくの中ではじけたり、より大きな世界へ広がっていったりした。そしてそれは、もつれあい、膨れ、くっつきあった、壊れていったりした。
村っちゃんの絵には、絵本となるたくさんのイメージを沸かせてくれる広い世界が描かれている。偶然に、田島征三という画家が村っちゃんの絵と出会ってこんな絵本ができたのだが、もし、ほかの絵本作家が村っちゃんの絵と出会ったら、まったく違う世界が育って絵本となるだろうとぼくは思う。そういうすてきな出会いを、ぼくはいま期待している。