| 連合赤軍統一公判・上告審判決 |
| 連合赤軍統一公判 上告審・最高裁判所 《1993.2.19》 |
| 判決要旨 |
◎内容 最高裁判決(平成5年2月19日宣告) 理由 1.被告人永田洋子、同植垣康博の弁護人富永敏文、同大津卓滋、被告人永田洋子の弁護人大谷恭子、同出牛徹郎、同秋田一恵、同角田儀平治、被告人坂口弘の弁護人小林優、同伊東良徳連名の上告趣意のうち、死刑に関し違憲をいう点は、死刑を定めた刑法の規定が憲法13条、31条、36条に違反するものでなく、絞首による死刑が憲法36条に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁、最高裁昭和26年(あ)第3104号同27年1月23日大法廷判決・刑集6巻1号104頁、最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁、最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから、所論は理由がなく、その余は、憲法39条、31条違反をいう点を含め、その実質はすべて単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。 2.被告人永田洋子の上告趣意のうち、死刑に関し憲法36条違反をいう点の理由がないことは、既に説示したとおりであり、その余は、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。 3.被告人植垣康博の上告趣意のうち、死刑に関し刑法36条違反をいう点は、同被告人は死刑を宣告されていないから、所論は前提を欠き、その余は、憲法32条、37条違反をいう点を含め、その実質はすべて単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。 4.また、所論にかんがみ、記録を精査しても、刑訴法411条を適用すべきものとは認められない(本件は、昭和44年9月から同47年2月にかけて、被告人永田洋子、同坂口弘及び植垣康博が直接実行行為に加わり、又は他の者と共謀の上、多数の殺人等の犯罪を敢行した事実であって、(1)被告人永田、同坂口ほか6名の日本共産党革命左派神奈川県委員会所属の者が、昭和46年2月、栃木県真岡市の銃砲店を襲撃して散弾銃10丁、散弾銃用実包約2000発等を強奪し、その際同店店主に傷害を負わせ、(2)被告人植垣ほか共産主義者同盟赤軍派の者らが、同年3月から6月にかけて、宮城県宮城郡泉町(現仙台市泉区)や横浜市の銀行を襲い現金を強奪し、その際工員1名に傷害を負わせ、長野県上伊郡長谷村の工事現場からダイナマイト等窃取するなどし、(3)被告人永田、同坂口ほか3名の革命左派の者が、同年8月、東京都西多摩郡奥多摩町、山梨県東山梨郡三富町の各アジトから逃走した同派の者2名を、千葉県印旛郡印旛沼の印旛放水路堤防上あるいは東京都小平市のアパートにおいて殺害した上、その死体を山林に埋め遺棄し、(4)その後、革命左派と赤軍派とが合体し連合赤軍が結成された同年12月から翌昭和47年2月にかけて、群馬県北群馬郡伊香保町、同県沼田市に建設したアジトと等において、森恒夫、被告人永田、同坂口ほか4名の中央委員が中心となり、被告人植垣もこれに加わって、12名の構成員に対しいわゆる総括を要求し、うち11名を殺害し、1名に傷害を負わせて死亡させた上、各死体を杉林等に埋めて遺棄し、また、(5)森、被告人永田が、同年2月17日、群馬碓氷郡松井田町のアジト付近において、同被告人らを発見し職務質問をしようとした警察官らのうち1名を登山ナイフで刺して傷害を負わせたが殺害するには至らず、(6)これより先伊香保町のアジトを警察官に発見されたことを知って松井田町のアジトを脱出した被告人坂口ほか4名の者が、同月19日、長野県北佐久郡軽井沢町のさつき山荘に侵入し、散弾銃等を乱射して警察官1名に命中させたが殺害には至らず、さらに、同町のあさま山荘に侵入し、山荘の管理人の妻を脅迫監禁してこれに立てこもり、同月28日に逮捕されるまでの間、上山荘を包囲し、あるいは同山荘への突入を決行した警察官等に対して散弾銃等を発射し、手製爆弾を投てきするなどして警察官2名及び民間人1名を殺害し、16名を殺害しようとしてその目的を遂げなかったなどの犯行に及んだものである。被告人らの各犯行の罪質、動機、態様、結果等の情状に照らすと、被告人らの罪責はいずれも極めて重大であって、被告人らの本件各犯行における地位・役割、加功の態様・程度、被告人らが本件の審理公判等を通じ示している態度など各被告人につき所論が指摘する諸点について検討を加えてみても、原判決が維持した第1審判決の被告人3名に対する各科刑は、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 5.よって、刑訴法414条、396条、181条1項ただし書、刑法21条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 検察官石川弘、同甲斐中辰夫 公判出席 平成5年2月19日 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 坂上壽夫 裁判官 貞家克己 裁判官 園部逸夫 裁判官 佐藤庄市郎 裁判官 可部恒雄 |
| 判決後それぞれのコメント |
| 永田 判決文の短さに驚いた。何も検討していないし、肩すかしの感じがする。一審以来、裁判所は死刑を前提としており、しっかりした事実審議をしてこなかった。最高裁でも一つくらい(一、二審の)事実誤認が訂正されるのではと期待したが、裏切られた。(死刑囚となり、処遇の)環境が変わるので慣れるのに時間が掛かると思いますが、私は持久戦には強いので頑張ります。 坂口 あさま山荘事件で死に至らしめた警察官、民間人の方々、ご遺族の皆様、監禁した管理人の方、発砲で重軽傷を負わせた方々、改めて私たちの罪を深くおわび申し上げます。山岳ベースで総括によって死に至らしめた十二人の同志、組織防衛の名で命を奪った二人、そしてご遺族の方々には、事件の真相を明らかにして、せめてものおわびのしるしにかえさせていただきます。 「誤りを糺し来たれど足らざると思いて受けん死刑宣告を」 植垣 裁判の最初の十年間は混乱と混迷の中で経過し、控訴審の後半からまともな意見交流ができるようになった。二十年かけた裁判の意味は大きかったと思う。早期に終わっていれば、何らの解明がなされずに終わった可能性が高い。判決は三下り半のもので、何か判断が欲しかった。でも、こんなものかとも思う。判決自体はある程度予測していたが、未決拘置日数の算入は意外に多かった。 |
| 再審申立 |
| この判決後、坂口は2000年6月2日に再審請求をしている。申立書の中で弁護側は、警官、民間人3人が銃撃により死亡した「あさま山荘事件」について、@いずれの発砲も狙撃ではなく殺意はなかったA警官1人の死因は銃撃ではなく、搬送された病院での医療ミスだったなどと主張し、これを裏付ける新証拠として医師の鑑定書などを提出したそうだ。一方、永田は2001年7月に再審請求を行なった。弁護人は「殺人の共謀はなく、凍死についても予測できなかった」と傷害致死罪を主張、再審請求に必要な新証拠として当時の気象記録などの提出をしたということである。 |
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