SEALS RECORDS「高田渡 Tribute」のレコーディング初日。
5月9日は斉藤哲夫、シバ、村上律、中川五郎 with HONZI、そしてEarly Times Strings Bandという予定。
アーリーの開始時間は午後8時半からなのだが、候補曲が2曲あり、そのどちらかがまだ未定なので早めに行ってみんなと相談することにする。
雨のなか、池尻のswing banboo studioへ。中学、高校に川崎からさんざん通った道である。その時代の友人宅の前を通り、馴染みの道をきょろきょろしながら、いろいろなことを思い出しました。もう、みんなと出逢っても分からないだろうな。
ロビーでパンを食していると、五郎ちゃん(中川五郎)が階上のスタジオから降りてきた。今、原因不明のノイズが入ってしまって、律ちゃん(村上律)のレコーディングをやりなおしているという。
暫くして無事終了ということで、律ちゃん、忍(今井忍)、シールズの秋山さんほか、みんなが降りてきて連れだって食事に出かける。シバ、いさっちゃん(中川イサト)、明日収録のペケ(いとうたかお)も一緒だ。
入れ替わるように金坊(竹田裕美子)登場。どちらの曲をやろうかと話しているうちに、どうも「私は私よ」を面白がっていて、歌いたいらしい。そちらにかたむく。さっきまではもうひとつの曲のアレンジを考えていたのだが。曲は面白いのだが普通にやるしかない。それもいいのだが。
アリちゃん(松田幸一)登場。3人でまた話し合いながら、ギターを取り出して「私は私よ」のアレンジに入る。全員で歌おうということになり、間奏後の美味しいところは金坊で決まり、歌詞の「お乳は重くて……」は律ちゃん以外に考えられない。出だしはアリちゃんで決まりだし、次は忍、次が律ちゃんなら、次は私ですんなり決まる。やはりどうしても関西+東京+関西+東京の順になってしまう。
コード(和音)進行が余り好きではなかったのでアリちゃんにいったら同意見だったので、少々変えてしまう。あとはイントロと間奏。
イントロのメロディーを考える。原曲のコードをいじっているうちに、よくあるパターンがいいんじゃないかということになり、アリちゃんが歌いだしたのは、たぶんプロレス中継かなんかの定番。それでいいとなり、これをカズーかコーラスでやろうということになる。
構成は素直に原曲のままにということで、これで決まり。だがどうも間奏2が気になる。ただの簡単な長調のくりかえしばかりの曲なのでマイナー部分が欲しいとアリちゃんもいう。思い切って検証もなしに、間奏2は全編マイナーにしてしまった。
録音開始の時間を過ぎても誰も帰ってこないので、勝手に譜面を書き始める。間奏2のコード進行を金坊が変えたいというので好きに変えてもらう。
やがて律ちゃん、忍、秋山さんが帰ってくるが、他の連中はどうもレストラン?で盛りあがってしまったらしい。いつものことですね。あとで律ちゃんに今年の春一番の楽屋は酔っ払いが少なかったねというと、みんな歳だからね、といっていました。よいことです。
昨日、メールでもう一つの曲でいこうと秋山さんには伝えてあったので、律ちゃんも忍もそのつもりでいたらしい。ロビーで少々打ち合わせをしてスタジオへ。
そのころ、アンサンが登場。5月30日にラカーニャで50歳記念ライヴをやるという。たしかシールズででている私の「ライブ77」がデビューだったはずです。
リハーサルに入る。
歌がないとやりにくいので金坊に仮歌を歌ってもらうことにする。ここのスタジオは狭いのでギターの私と忍が一緒の部屋で、カホン(打楽器)のアリちゃんが隣の別室1、律ちゃんは階上のミキシングルームの隣の別室2へ。金坊はミキシングルームでとなる。
とりあえず、かたちだけ録音してしまおうとリハーサルを重ねていくうちにイントロは不要ということになり削除。OKテイクで律ちゃんと忍が違うフレーズをやったので、どちらかにしようということになり、律ちゃん案を採用。もっとも打ち合わせ段階での合意では忍が正解で、律ちゃんはただ間違えただけだと思うが。アーリーはいつもこんな調子なのです。OKテイクがでて本日はじめてミキシングルームへ入ったら酒臭い。いつのまにかみんなが帰ってきてここで呑んでいたのでした。もちろん律ちゃんも。そしていつのまにかみんなが帰っていきました。なにかまだ大阪にいる雰囲気です。
みんなでコーラスを重ねる。
アリちゃんの案ではカズーでということだったが、誰も持っていない。じゃあ、作ればいいということになり、サンドイッチやお菓子の包装紙を破り、誰ともなく吹き出す。ビービービービー5人が吹く。さすがにアリちゃんがうまい。ミキサーも秋山さんも呆れている。律ちゃん、アリちゃんはうがいをはじめる。これには全員が大笑い。このては冗談音楽そのままで、もう飽きてしまったのだが、アリちゃん、律ちゃんのてにかかれば、もう脱帽するしかありません。カズーもどきもただの包装紙だし。
本番もそのまま、スタジオは大爆笑。アリちゃんはうがいの水を気管支に入れてしまって吹き出すし、律ちゃんは律ちゃんで飲み込んでしまうし、久々に笑い涙を流しました。どうせ渡(高田渡)の曲だからとは律ちゃんの名言。もちろん冗談ですが。
アリちゃんのベース、金坊のグロッケン、アコーディオンを重ねる。
演奏はシンプルにということで一件落着。アリちゃんのベースを聴くのは何年ぶりだろう。
恰好もついてきて歌入れ。
アリちゃん、忍、律ちゃん、私、金坊と快調に進む。
アリちゃんがふざけて大阪弁で歌ったのが秀逸でしたがこれは入りません。ライヴではやってもらおう。律ちゃんに「お乳は重くて……」を歌ってもらったのも、はまりすぎですが他の誰も歌えませんから仕方がない。さすが「月の法善寺横町」(藤島恒夫のヒット曲)で育った人です。この二人はどんどん大阪人に戻っていきます。
最後の全員の合唱を録音。
取り忘れた金坊の歌を録音。
なんだか妙に色っぽくて浮いてしまうので、やり直してもらったのですが、それでもまだ色っぽい。それで薄めるためにハモリのパートを入れてもらう。ママキャス(The
Mamas & The Papas)を思い出しました。良いです。
仕上げ作業に入る。
歌が終わり演奏面の仕上げに入る。間奏が物足りないのでアリちゃんの登場。やはりハーモニカ。メチャクチャうまい。
最後に間奏2にシンバルが欲しいのでアリちゃんに叩いてもらう。途端に無国籍音楽になってしまったとはミキサー氏の言葉。モニターカメラを見ていたら、いつのまにか律ちゃんが踊りながら指揮をしている。演奏者は誰も見ていないのだが……。リハーサルでやはり、いつのまにか金坊も後方で踊りながらタンバリンを叩いている。これも良かったので採用することにする。
アリちゃんのパーカッション小物入れからカズーを発見!
いままで見つからなくてよかったね。
今日はトラックダウンもないし、出番も終了なので、みんなが置いていった酒を呑みながら、律ちゃんの変てこな踊る指揮者に見入って大笑いするミキシングルームでした。
予定通り26時に終了。
久々に全員集合の録音は楽しいものになりました。
これでまたアーリーのレパートリーが増えたとは律ちゃんの言葉ですが、ライヴはいったいいつになるのでしょうかね。(敬称略)