CD:Early Times Strings Band VOL.1 高田漣 ライナー文 ['97 ] より

 おそらくこの文章を読んでいる人の多くは、あの時代、あの場所に居たに違いない。でなければ、こんなマニアックなLPの再発を買うわけがない。いや失礼。『アーリー』の名でごく一部の人達に親しまれたバンド。あるいはあの家。
 確かに『ぐわらん堂』の階段は急だったけど、それを見事に転げ落ちた人。ライク ア ローリングストーン。伝説の多くが音楽以外の人々。それがアーリータイムス ストリングスバンド。ボガの店内に立ちこめていた、あの空気。あの頃の吉祥寺まんまのアーリーの音は、どこか軟弱で、それでいて人なつっこい感じ。アーリーがいなくなって、かれこれ20年。ひょっとしたら、今の時代には居場所がないかもしれない。彼らの思い出の場所の多くはもう無い。時代は変わる。彼らの顔にしわができ、白髪も増え、あの時代の赤ん坊が今ではこんな文章を書いている。それでも変わらずアーリーの音が人々の心にとどく事を願って。


97年11月 高田漣 

Seals RecordsのH.P.にあるプロフィール
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