第6学年1組   算 数 科 学 習 指 導 案

 

平成14年7月9日(火)第5校時

                                                男子19名 女子21名 計40名                                                    指 導 者 T1 浦 濱 和 彦                                                          T2 柴 田 千 穂

 

1.単元名  「比べ方を考えよう」

 

2.単元について

 

 ○ 本学級の児童は,算数科の学習に対して意欲的に取り組む子どもが多く見られる。計算力  や思考力,応用力にはかなり個人差が見られるが,与えられた課題に対しては最後までやり  遂げようと努力する。また,新しい発想で問題を解決しようとする子どもも数名見られる。

  全体的には基礎的な学力の定着が見られるものの,個に目を向けると学力の定着が不十分と  思われる児童が数名見られるので,個に応じた指導の充実を図る必要がある。

   事前のレディネステストにおいては,前単元で学習した平均の問題や5年生で学習した1  個あたり・1?あたりの値段を求める問題を取り扱った。平均の問題については,どの児童  においても学力の定着が見られる。しかし,1個あたり・1?あたりの値段を求める問題に  おいては学力の定着に個人差が見られるので,指導法の工夫・改善が必要である。

   少人数授業については,早い時期から学級を2つに分ける形で行っている。習熟度別指導

  とまでは至っていないものの,習熟度を意識したグループ学習等を行ってきた。

 

 ○ 本単元で取り扱う学習は「単位量あたりの大きさ」と「速さの表し方」の2つである。「単  位あたり量の大きさ」では,面積も人数も違う場合の混み具合を比較させる作業等を通して,

  単位あたり量の大きさで量を比較することのよさに気づかせることをねらいとしている。こ  こでは,一方の量を等しくして,それに対するもう一方の量の大きさによって比べること,  またその際,等しくする方の量を単位量にすれば,条件を簡単にそろえることができ,複数  の資料を同時に比べることができることに気づくことが大切である。

   「速さの表し方」では,「速さ」は「時間」と「道のり」で決まる量であることから,速  さを「単位時間に進む道のり」ととらえることができるようにしていく。速さを視覚などで  直感的にとらえることは比較的容易であるが,それを数で表そうとすると難しくなる。その  ため,この学習では,単位あたり量の大きさの考え方を活かして,単位時間あたりにどれだ  けの道のりを進むか,また,単位道のりあたりでどれだけ時間がかかるかという考え方をす  ることが大切となってくる。 

 

 ○ 本単元の学習を進めるにあたっては,3つの視点から授業改善を行い,基礎・基本の確実  な定着を図りたい。まず,少人数授業・習熟度別指導を積極的に導入し,個に応じたきめ細  かな指導の充実をめざしていく。単元計画を見直し,各小単元のまとめに習熟度別指導を意  図的に仕組むことで対応していきたい。

   次に,個に応じた学習課題や多様なコース及び解決法の選択ができるようにし,補充的な  学習や発展的な学習においても個に応じた学習を展開していく。そのために,習熟度別の2  つのコースの中にも,個に応じた多様な学習ができる場を設定していくようにする。

   さらに,本単元で児童に身に付けさせたい力を明確にするとともに,評価基準を習熟度コ  ース別に作成していくことで,学力の評価を活かした指導方法についても工夫改善をしてい  く。具体的な評価の場においては,教師の評価とともに児童の自己評価等も有効に活用しな  がら評価を指導に活かしていきたい。

   この3つ授業改善の視点から本単元の学習を進め,本校の研究主題「基礎・基本の確実な  定着を図る学習指導 ― 一人ひとりの実態に応じたきめ細かな指導の充実 ―」に迫り,児  童に確かな学力を身に付けさせたい。    

 

3.単元の目標

 

 ○異種の2量の割合としてとらえられる数量について,その比べ方や表し方を理解し,それを  用いることができる。

 

〔関心・意欲・態度〕 ・単位量あたりの考え方を用いると,数値化して比較できることのよさ

            に気づき,進んで生活に生かそうとする。  

〔数学的な考え方〕   ・異種の2量について,割合の考えを用いて表し方や比べ方を考える。

〔表 現・処 理〕  ・単位量あたりの考えを用いて,混み具合や速さを比較することができ            る。

〔知 識・理 解〕  ・異種の2量の割合の意味とその求め方を理解する。

 

4.授業改善の視点

 

(1)少人数授業・習熟度別指導の積極的な導入

  ○単元の学習計画の中に少人数授業及び習熟度別指導を意図的に仕組むことにより,個に応   じた指導が展開できるようにする。

 

(2)発展的な学習・補充的な学習などの個に応じた学習指導

  ○個に応じた課題を設定するとともに,多様なコースの選択や解決法の選択ができるように   する。

 

(3)学力の評価を活かした指導方法の工夫改善

  ○身に付けさせたい力を明確にするとともに,評価基準を習熟度コース別に作成して指導に

   活かす。

 

5.単元計画(全17時間 本時16/17)

小単元 目 標 形態 進んで学ぶ子どもの姿 主な評価規準
    
@単位量あたりの
大きさ
(7時間)



・レディネステストを行い,児童の実態を把握する。
・面積や数が異なる場合の混み具合の比べ方を理解する。
    共















・レディネステストに取り組み,自分の学力を知る。


・面積と数が違う3つの小屋の混み具合の比べ方を考える
・1uあたりの数で比べたり,1羽あたりの面積で比べればよいことをまとめる。




(考) 単位量あたりの考えを用いて, 混み具合の比べ方を考えている。

・「人口密度」の意味とその求め方を理解する。 ・用語「人口密度」の意味を知り,人口密度を求める。 (表) 人口密度を求めることができる。
(知) 人口密度の意味を理解している。

・単位量あたりの大きさとその用い方を理解する。 ・じゃがいもの取れ具合を,単位量あたりの大きさの考え方を用いて調べる。 (表) 単位量あたりの考えを用いることができる。

・単位量あたりの大きさとその用い方を理解する。 ・1uあたり0.5sの肥料をまくとき,1.2sの肥料では何uにまくことができるか考える。 (表) 単位量あたりの考えを用いて全体の量を求めることができる。

・学習内容に習熟する。
・習熟度別指導
コースの学習内容を知る。





・自己診断テストを行い,自分の学力を確かめる。
・習熟度別指導コースの学習内容について理解し,自分に合ったコースを選択する。
(知) 単位量あたりの考え方を理解している。
(関) 自分に合ったコースを進んで選ぼうとする。

・習熟度別指導を行い,学力の定着を図るとともに,発展的な学習に取り組む。






@
 
・「じっくりコース」と「しっかりコース」に分かれて,
補充的な問題や発展的な問題
に取り組む。
(表) 題意をつかんで単位量の問題を解くことができる。

A速さの
表し方
(6時間)


・距離,時間が異なる場合の速さの比べ方を理解する。










 
・走った距離と時間が違う人の速さの比べ方を考える。
・1mあたりの時間で比べたり,1秒あたりの距離で比べたりすればよいことをまとめる。
(考) 単位量あたりの考えを用いて,速さの比べ方を考えている。

・速さを求める公式を理解し,適用ができる。 ・速さを求める公式をまとめる。
・用語「時速」「分速」「秒速」の意味を知り,公式を用いて速さを求める。
 
(表) 公式から速さを求めることができ,速さを時速,分速,秒速で表すことができる。

 

                 















 

・道のりを求める公式を理解し,適用ができる。









・新幹線の速さと時間から道のりの求め方を考える。
・道のりを求める公式をまとめ,公式を用いて道のりを求める。
 
(表) 公式から道のりを求めることができる。

・速さと道のりから時間を求める方法を理解する。 ・新幹線のこだま号の速さと道のりから時間の求め方を考える。 (考) 速さや道のりを求める公式を用いて,時間の求め方を考えている。

・作業の速さについて理解する。 ・1時間に4500枚コピーする機械と5分間に500枚コピーする機械の速さを比べる。 (考) 単位あたりの考えを用いて,仕事の速さなどの比べ方を考えている。

Bまとめ
(4時間)

・学習内容に習熟する。
・習熟度別指導
コースの学習内容を知る。





 
・自己診断テストを行い,自分の学力を確かめる。
・習熟度別指導コースの学習内容について理解し,自分に合ったコースを選択する。
(表) 速さの問題が解ける。
(関) 自分に合ったコースを進んで選ぼうとする。

 

〈じっくりコース〉*具体的な操作活動等を活かした学習(補充的な学習中心)


Bまとめ

・学習内容の習熟について,自分なりの課題を持つ。






A
・これまでの学習内容について確認し,具体的な操作活動を行いながら追求活動を行う準備をする。 (関)自分なりの課題を持とうとする。

・具体的な操作活動等を行い,学習に習熟する。(本時) ・速さ,時間,道のり等を求める問題に,具体的な操作活動等をうまく取り入れながら取り組む。 (知)問題の解き方を理解している。

・学習内容の理解の確認をする。 ・速さ,時間,道のりを求める補充的な問題を解く。 (表)題意をつかんで問題を解くことができる。

 

〈しっかりコース〉*学習資料の選択,自分なりの考えを活かした学習(発展的な学習へ)


Bまとめ

・学習内容の習熟について,自分なりの課題を持つ。






A
・これまでの学習内容について確認し,様々な学習資料を用いて追求活動を行う準備を
する。
(関)自分なりの課題を持とうとする。

・自分に合った解決法を選んで
問題に取り組む。(本時)
・様々な学習資料を有効に使い,速さ,時間,道のり等を求める問題を解く。 (考)問題を解くために必要なことを考えている。

・学習内容の理解を深め,算数への興味を広げる。 ・速さ,時間,道のりを求める発展的な問題を解く。 (関)進んで発展的な問題を解こうとしている。

 

6.本時の学習(16/17)

 

(1)目標

  ・自分の学習課題を解決するために,具体的な操作活動を行ったり,様々な学習資料を有効   に使ったりしながら,単位あたり量や速さの求め方に慣れることができる。

 

(2)授業仮説

  ・身に付けさせたい力を明確にした上で習熟度別指導を仕組み,個に応じた課題の設定や具   体的な操作活動,様々な追求活動ができるコースの設定等の工夫改善を行うことにより,   子どもたち一人ひとりが自主的・主体的に課題解決に取り組むようになり,基礎的・基本   的な学力が身につくであろう。

 

(3)展開1 <じっくりコース>

過程 進んで学ぶ子どもの姿  学び方を育てる教師の姿 評価基準と活用法







(5)
1.本時の学習課題をつか  む。  〔関・意・態〕
A.進んでグループ の話し合いに参加 している。
B.グループの学習 に取り組む態度が 見られる。
C.話し合いに参加 できずにいる。
*グループ活動の際 の発言・観察
<学習課題> 実際に車を走らせて,
 速さ・道のり・時間を測定したり,計算したりしよう。
2.グループに分かれ,
 学習の進め方を確認する。
@車の速さを測定する。
A速さをもとに道のりを計 算し,測定して確かめる。B速さをもとに 時間を計算
 し,測定して確かめる。
・グループごとの学習内容を 把握し,学習活動が効率よ く進むよう支援する。

・速さ・道のり・時間それぞ れの課題に取り組めるよう 助言する。
 







(30)
3.自分たちが決めた順序 に従い,速さ・道のり・ 時間を測定したり計算し たりする。 ・できるだけ正確な値が求め られるよう適宜助言する。

・計算する際は,公式を活用できているか確認する。

・設定した課題が終わったグループには,発展的な学習を取り入れた課題に取り組むよう助言する。
 〔表現・処理〕
A.公式を活用し適 切に測定や計算が できる。
B.測定や計算がお およそできる。
C.測定や計算が適 切にできない。
*グループ活動の様 子・ワークシート の記述
 








(10)
4.本時の学習でわかった ことや次時の学習で取り 組みたいことなどについ て話し合う。

5.次時の学習内容につい て確認する。
・自己診断カードに記入する ようにし,次時の学習にい かす。


・個人で学習内容を選択でき るようにする。 また,コー ス間で移動しても良いこと を知らせる。
 〔関・意・態〕
A.次時の学習への 意欲が見られる。
B.次時の学習への 見通しを持ってい る。
C.次時の学習が見 通せない。
*自己診断カードの 記述内容

 

 

 

 

   展開2〈しっかりコース〉

過程 進んで学ぶ子どもの姿 学び方を育てる教師の支援 評価基準と活用法







(5)
1.本時の学習課題をつかむ。




〔関・意・態〕

A.進んでグループの話し合いに参加している。

B.グループの学習に取り組む態度が見られる。

C.話し合いに参加できずにいる。

*グループ活動の際の発言・観察で

 
〈学習課題〉様々な学習資料をうまく使って,速さの問題の 解き方に慣れよう。
2.取り組む課題別のグルー  プに分かれ,学習の進め  方を確認する。
 
・グループごとの学習内容を把 握し,学習活動が効率よく進 むように支援する。

・身の回りの色々なものの速さ
 及び到着地点までの距離につ いての資料を準備する。


・電車やバスの時刻表を準備す
 る。


・発展的な内容を含む文章問題
 のプリントを複数準備する。
〈Aグループ〉
 色々なものの速さから,
 ある場所に到着するまで
 の時間や日数を求める。
〈Bグループ〉
 時刻表から,電車やバス
 などの速さを求める。
〈Cグループ〉
 速さ,時間,道のりを求
 める発展的な文章問題に
 取り組む。







(30)
3.自分たちが活用する学習  資料を準備し,役割分担  等を確認する。

4.速さの問題を様々な学習  資料を活用して解く。  〈Aグループ〉
 ・ワークシートを活用し,
  「人間が歩いて地球を1
  周したら何日かかるか」
  などの問題に取り組む。  〈Bグループ〉
 ・時刻表から,ある区間の
  道のりとかかる時間を調
  べ,その時の電車やバス
  などの速さを求める問題
  に取り組む。
 〈Cグループ〉
 ・速さに着目してかかる時  間や道のりなどを総合的  に解決する発展的な問題  に取り組む。
・学習資料の内容や役割分担等
 についての確認をするように 促す。

・学習資料が有効に活用されて いるか確認し,必要に応じて
 助言を行う。
・色々な乗り物や動物などの速 さ,移動距離についての資料
 の使い方を工夫するように適 宜助言する。

・時刻表の正しい見方について
 の助言を行う。




・解決のための糸口について適 宜助言を行う。




〔考え方〕

A.題意をしっかりつかみ,筋道を立てて考えている。

B.題意をつかみ,自分なりの考えを持っている。

C.題意をうまくとらえられない。

*グループ活動の様子・ワークシートの記述

 









(10)
5.本時の学習で分かったこ  とや次時の学習で取り組  みたいことなどについて  話し合う。

6.次時の学習内容について  確認する。
・自己診断カードに記入するよ
 うにし,次時の学習に活かす。



・各グループごとに学習内容を
 選択できるようにする。
〔関・意・態〕
A.次時の学習への意欲が見られる。
B.次時の学習の見通しを持っている。
C.次時の学習が見通せない。
*自己診断カードの記述内容

(4)評価

  ・具体的な操作活動を行ったり,様々な学習資料を有効に使ったりしながら,自分の学習

   課題を解決しようとしたか。